アレルギーの元になるのだけがダニの害ではなく、他の病気や犬猫などのペットに病気をもたらすことがあるのです。その中で、ヒセンダニというダニの一種が人にもたらす病気がありますが、これは皮膚の角質層内にそのヒセンダニが寄生してしまう感染症なのです。その疥癬(かいせん)という病気の症状とは、とにかく激しいかゆみがあることで、布団の中で体が温まったときなどに痒くなるのです。腕や脚、ほかの体の部分などに赤い小さなぽつぽつ、しこり、がさがさができることが特徴です。特に体の柔らかい部分に細長い線状の発疹が出来るのが特徴で、これを疥癬トンネルと呼んでいます。肌の接触がこの病気の主な感染経路で、人から人へと移ってしまうのが、移疥癬(かいせん)とい病気なのです。寝具などを介して感染することもあるので、最近では老人ホームや、寝たきりの患者さんから感染することが多くなっています。またダニがペットにもたらす病気がありますが、これには犬がマダニに刺されることで、バベシアという原虫が媒介され、それが犬の赤血球に寄生してしまうという病気があり、これをバベシア症といいます。赤血球を破壊された犬は、ひどい貧血におちいり、重度の貧血になると、歯茎や舌が白っぽくなり血の気が無くなったり、オシッコが赤や黄色になったりするという症状が現れます。幼犬や老犬では死にいたることが少なくありません。ダニに刺されることによって発症するバベシア症の予防としては、とにかくマダニに刺される可能性のありそうな山や草むらに犬を連れて行かないことです。またノミ・ダニ予防用の首輪やスプレーなどを用いてダニから守ってあげたり、丹念にブラッシングしてダニがついていないことを確認してあげましょう。